よくあるご質問

認知症になったら、不動産を売却できないと聞きましたが、良い方法はありませんか?
専門家への費用がかかる、裁判所への報告が煩わしいと聞いているので、できれば成年後見制度は利用したくありません。
信頼できる家族等を受託者として不動産の管理・処分を任せる家族信託という方法があります。これにより、認知症発症後も、ご家族が代わって不動産の売却や管理を行うことができるようになります。
家族信託は、認知症になっている人でも行うことができますか?
A. 家族信託は、信託契約を結ぶことにより効力が発生するものですから、当事者に契約を結ぶに足りる判断能力が必要です。従って既に認知症になってしまった方では行うことができません。高齢になると、突然病態が変化してしまうこともよくあることです。少し不安だな、物忘れがひどくなったなと思ったら、できるだけ早めに対策をとることが重要です。
先祖代々の土地を私の死亡後も、私の血の繋がった親族に引き継いでもらいたいと思っています。長男には子供がいませんが次男には子供がいます。まずはいったん長男に引き継がせたいと思っていますが、長男亡き後は、長男の妻やその親族に財産が引き継がれてしまう可能性があると聞きました。良い方法はないでしょうか?
受託者を次男の子(孫)、第一受益者を長男、第二受益者を次男、第三受益者を次男の子(孫)とする家族信託契約を組んでおけば、長男の妻の親族へ財産が流出するのを避けることができます。これにより先祖代々の土地は長男から次男、次男から次男の子(孫)へと引き継いでいくことができます。
障害をもつ子供の将来が不安です。子供は自分では財産の管理ができないので、親である私達夫婦が亡くなった後、子供の面倒を兄弟に見てもらいたいと考えていますが、可能でしょうか。
可能です。兄弟の方を受託者としてご夫婦の財産を信託する方法があります。親夫婦が死亡された後はご兄弟がご夫婦の財産から障害のある子供のために生活費や施設利用費等を支出し、親夫婦に代わって子供の生活を支えていくことができます。
信託契約は、公正証書にしなければなりませんか?
信託契約は、必ずしも公正証書にする必要はなく私文書で作成しても有効です。
しかし信託では、受託者に委託者の財産を管理・運用・処分するという大きな権限が与えられるため慎重な手続きが求められます。又、後々のトラブル回避も必要です。その意味でも、公証人が作成する公正証書にすることをお勧めします。
家族信託のデメリットはありますか?
特段デメリットはありません。強いて挙げれば、現在のところ未だ金融機関の中には、家族信託の認知度が低いところが多いということです。例えば、銀行での信託口座の開設や信託財産を担保とする融資について対応に苦慮する場面があります。
又証券会社の大半は家族信託に未対応ですので、上場株を信託財産に含めることは現状では回避せざるを得ません。但しこれも時間の経過とともに少しづつ改善されつつあります。
住宅ローンが残っていても信託ができますか?
住宅ローンの抵当権が残っている住宅の場合でも、信託財産とすることは可能です。
但し、存担保不動産の信託に関しては、現債権者とのコンセンサスは必須です。
金融機関に対して、信託は処分行為ではない旨を申し上げますが、同意していただけない場合は、借り換えで対応をしていただかざるを得ない場合もあります。
信託契約の内容を途中で変更することはできますか?
もちろん、契約内容を変更することは可能です。
信託契約の内容は個々の信託条項で定められています。そして当事者が合意すれば条項を削除したり、加筆したりすることができます。又全く新たな条項をつけ加えることもできます。因みに条項の中には法務局に登記申請を行うことが必要な内容もあり、既に登記されたものについては司法書士への相談が必要になります。
信託契約後に受託者は贈与を行うことはできますか?
例えば、委託者と受益者が父親で、長男を受託者とする信託契約において、父親の財産を長男が勝手に孫に贈与することはできるのか、という事例を考えてみてください。
受託者が信託財産を管理・運用、場合によっては処分することができるのは、あくまで信託契約に基づき、受益者のためにそれらを行うことが大原則であるからです。
受託者である長男が信託財産となった父親の財産を孫に贈与するという行為は、明らかに信託契約の本旨に悖るものですので行うことはできないと考えます。
受託者が死亡したらどうなりますか?
受託者が亡くなった場合、次に受託者となる人が指定されている場合は、その人が受託者の地位を引き継ぐことになります。受託者の地位は相続されることはないため、指定された人がいない場合は、新たな受託者を選ぶ必要があります。
不動産を信託した場合、税金はかかりますか?
不動産を信託する場合には、形式的には名義が変更されることになるため登記免許税がかかります。但し、贈与や売買のために名義を変更するときと比較すると必要となる登録免許税は低くなります。「流通税の節税」として家族信託が活用されるのはそのためです。他方、形式的な所有権移転に過ぎない為、「不動産取得税」や「譲渡所得税」はかかりません。
但し、上記の説明は「委託者が受益者となる場合」です。「委託者と受益者が異なる場合」には結果が異なりますので、注意が必要です。詳細については、経験豊富な当事務所の専門家にご相談ください。
信託財産に制限はありますか?
信託財産の財産額には上限はありません。また、財産の種類に関しても不動産や預貯金、有価証券のみにとどまらず、債権やペットなどの動産も含めることができます。信託銀行の商事信託を活用する場合には、預金債権や保険商品に限られていますので、より自由で想いを反映させることのできる制度であると言えます。
信託財産を譲渡した際の利益は誰に課税されますか?
家族信託の基本の考え方として、信託財産で課税をされるのは受益者です。
受託者はあくまで財産の管理や処分をする権利のみを持つため、財産の実質的な財産権は受益者に残ります。
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